
ネタは面白いのに、なんであの芸人はテレビであまり見かけないんだろう。

それは、“平場の対応力”が影響しているかもしれません。
芸人として長く活躍するには、ネタだけでなくトーク力や立ち回りも重要なんです!
この記事では、
- 「平場」という言葉の意味を知りたい
- 平場が強い・弱い、平場力といった使われ方を知りたい
- ネタは面白いのにテレビで見ない理由が気になる
という方に向けて
- 「平場」とは具体的にどのような場面を指すのか
- 「平場が強い/弱い」とは何か
- なぜ平場が芸人にとって重要なのか
を分かりやすく解説していきます!
この記事を読めば、バラエティ番組やYouTubeを見る視点がひとつ増え、芸人の魅力をより深く楽しめるようになるはずです。
平場とは?お笑い業界での意味
お笑いの世界で使われる「平場(ひらば)」とは、ネタ以外の場面で芸人がトークややり取りを行う時間や空間を指す用語です。
漫才やコントといった“あらかじめ用意されたネタ”とは異なり、舞台上や番組中で芸人同士が素の状態で会話を展開する場面が、いわゆる「平場」にあたります。
平場(ひらば)・・・ネタ以外の場面で芸人がトークややり取りを行う時間や空間
具体的には、以下のような場面が「平場」に該当します。
- 劇場ライブのエンディングトーク
- 賞レースでネタ終了後に行われるコメント
- トーク番組でのひな壇トーク
- バラエティ番組におけるMCとのやり取り
こうしたシーンでは、台本に頼らずアドリブで空気を読み、笑いを生むスキルが求められるため、芸人の地力が試される場とされます。

「あの芸人は平場に強い」「平場で活躍する」といった表現で使われています。
なお、「平場」という言葉の由来には諸説ありますが、舞台用語の「何も仕掛けのない平らな場所」という意味に由来するとされています。
ネタと平場の違いとは?
お笑いの世界では、「ネタ」と「平場」はまったく異なる性質を持ちます。
それぞれの特徴を、以下の表にまとめてみました。
比較項目 | ネタ | 平場 |
---|---|---|
用意の有無 | 台本・構成がある | ほぼアドリブ |
内容 | 漫才・コントなど | トーク・リアクション・立ち回り |
主な目的 | 計算された笑いを届ける | その場の笑いと空気づくり |
代表的な場面 | M-1、キングオブコント、劇場ライブのネタなど | アメトーーク、ラヴィット!、賞レース後のコメントなど |
ネタではボケやツッコミの順序やセリフが明確に決められていますが、平場ではその場の流れや空気に応じた即興的な対応力が求められます。
アドリブ力やリアクション、間の取り方など、別のスキルが求められるのが大きな違いです。
「平場が強い」「平場が弱い」とはどういうこと?
お笑いを観ていると、「〇〇は平場が強い」という言葉を耳にすることがあります。
これは、ネタ以外のトークやリアクションの場面でも、その芸人が面白さを発揮できているかどうかを指しています。
たとえば、番組内のトークで絶妙なタイミングでボケやツッコミを入れたり、他の芸人の話を広げたりできる芸人は、総じて“平場が強い”とされます。
「平場が強い」芸人の特徴
- 話を振られたときの返しが的確かつ面白い
- 他人の話にうまく乗って笑いを広げられる
- イジられたときのリアクションがうまい
- 空気を読み、場を回す立ち回りができる
こういった能力は、その場の空気に順応するセンスや瞬発力がベースになります。
決して「トークがうまい」だけではなく、芸人としての総合的なバランス感覚が問われるのです。
一方で、「平場が弱い」とされる芸人には次のような傾向が見られます。
「平場が弱い」芸人の特徴
- 発言のタイミングがつかめない
- 話を広げられず会話が止まりやすい
- 緊張や不慣れで自身のキャラクターが出せない
- ネタの印象とギャップがある
ただし、これらは必ずしも「芸人としての能力が低い」ことを意味するわけではありません。
環境や芸風との相性、あるいはトークの場に慣れていないことが理由である場合も多くあります。
また、平場の力は芸歴とともに培われる側面も大きく、経験の中で伸びていくスキルとも考えられます。
なぜ平場の強さが重要視されるのか?
現代のお笑い界では、平場の力がますます重要になっています。
その背景には、芸人の活動の場がテレビ・ラジオ・YouTube・配信などへと広がり、“ネタ以外の時間”で活躍する機会が増えているという状況があります。
バラエティ番組では、数分のネタ時間よりもはるかに長いトーク時間があることがほとんど
MCとのやり取り、他の出演者との絡み、リアクション…
こうした平場のスキルがあるかどうかで、芸人としての印象やポジションが大きく左右されます。
ネタと平場を両立して活躍する芸人たち
実際に長く第一線で活躍している芸人の多くは、「ネタの面白さ」と「平場での対応力」の両方を兼ね備えています。
たとえば
- ダウンタウン
- 有吉弘行さん
- 千鳥
- 麒麟・川島さん
- かまいたち など
バラエティでも安心して“任せられる”存在感を持った芸人さんたちです。
平場では、芸人の“素”の部分や人間性が現れやすく、それがファンの親近感や好感度にも直結します。
場を回せる、空気を読める、いじられても跳ね返せるー
こうした能力は、ネタ以上に芸人の「売れっ子」を決定づける場面も少なくありません。
まとめ
「平場」とは、ネタ以外のトークやリアクションで笑いを生む、お笑いのもうひとつの重要なフィールド。
その場での返し、立ち回り、リアクション…そうした瞬間こそが、芸人の人間力や本当の面白さを感じさせてくれる場でもあります。
ネタだけでなく、「平場でどう振る舞っているか?」に注目することで、お気に入りの芸人がもっと好きになったり、新たな魅力を発見できるはずです。
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