芸人本レビュー|NON STYLE・石田明著『答え合わせ』の内容と評価

スポンサーリンク

M-1グランプリの王者が「漫才」や「M-1グランプリ」について語り尽くす

NON STYLE・石田の新刊『答え合わせ』って、面白いの?

トリニてぃ
トリニてぃ

実は漫才をより深く楽しめるヒントが詰まった一冊なんです。
この記事ではその魅力を分かりやすく解説しますよ。

この記事では、

こんな人におすすめ
  • お笑いをもっと深く理解したい
  • 読む前に大まかな内容を知っておきたい
  • レビューや評価を踏まえて本の購入を判断したい

という方に向けて

この記事でわかること
  • 答え合わせ』の基本情報とあらすじ
  • 著者であるNON STYLE・石田明さんのプロフィールと活動背景
  • ポジティブ/ネガティブ両面からのレビューまとめ

を分かりやすく整理しています。

この記事を読めば、『答え合わせ』を手に取る前にその魅力や読みどころがしっかり把握できます。

※この記事にはアフィリエイト広告を含みます。

スポンサーリンク

『答え合わせ』の基本情報・概要

NON STYLE・石田明さんによる著書『答え合わせ』は、漫才への深い愛情と鋭い分析を詰め込んだ一冊です。お笑いの世界で長年培ってきた経験や視点をもとに、「漫才論」「M-1論」「芸人論」などを体系的に言語化。従来のエッセイや芸人本とは異なり、漫才そのものの本質を掘り下げている点が大きな特徴です。

予約段階から好調で発売前に重版が決定し、刊行直後から大きな話題を呼びました。漫才師をはじめとするお笑い関係者からも高く評価され、広く注目を集めています。

基本データ

  • 書名答え合わせ
  • 著者:石田明(NON STYLE)
  • 出版社:マガジンハウス
  • 発売日:2024年10月31日
  • 定価:1,110円(税込)
  • 仕様:240ページ

発行部数と反響

本書は予約段階から反響が大きく発売前に重版が決定。刊行からわずか2か月で累計7万部を突破し、各書店のランキングでも1位を記録しました。

評価は読者だけでなく、同業の芸人からも寄せられています。博多華丸・大吉博多大吉さんは「近代漫才の暴露本」と驚きをもって評し、ナイツ・塙宣之さんは「これを読んでいればNON STYLEに勝てた」と悔しさをにじませました。さらに令和ロマン・髙比良くるまさんは「NSC1年分の価値がある」と高く評価。ファン層だけでなく現役の漫才師にとっても必読の一冊として受け止められています。

令和ロマン・髙比良くるまさんによる著書『漫才過剰考察』の紹介記事はこちら

スポンサーリンク

『答え合わせ』あらすじと内容の特徴

本書『答え合わせ』は、漫才を愛し続けてきた石田さんが、自らの経験と視点をもとに「お笑いをどう語り、どう残すか」に挑んだ構成となっています。5章立てで展開され、それぞれが「漫才論」「M-1論」「採点論」「コンビ論」「未来論」というテーマに分かれ、漫才の過去・現在・未来を240ページにわたって立体的に描き出しています。

石田さん自身の歩みを交えながら、実際の芸人や大会を例にとった分析が随所に盛り込まれており、評論としての鋭さとエッセイとしての読みやすさを兼ね備えている点も大きな特徴です。

主な収録内容

  • 「漫才か、漫才じゃないか」への回答【漫才論】
    • 「偶然の立ち話」が漫才の原点
    • 真空ジェシカを筆頭に増えてきた「共闘型」
    • 漫才の「噓」とどう向き合うか? 
    • 「漫才じゃない」の元祖ジャルジャルが見せた涙
    • 結局、「ベタが最強」「アホが才能」
    • ワイン理論──「くだらない」と言われるボケは強い
    • “初下ろし”のネタが一番ウケる
    • 関東か、関西か──「言葉」と「ネタ作り」
  • 第2章「「競技化」で漫才はどう変わったか? 【M-1論】
    • 面白いだけではダメ、上手いだけでもダメ
    • 「二重奏」のスタイルが爆発したM-1決勝
    • M-1は「じゃんけん」大会から「何でもあり」大会へ
    • 令和ロマンに授けた「漫才身体論」
    • 「現場主義」でよかった2023年敗者復活
    • 「連続出場は不利」を跳ね返した笑い飯
    • M- 1で「準優勝」が売れるのは……
    • 賞レースで「ネタ選び」を間違えるワケ
  • 第3章「お笑いの得点化」という無理難題に挑む【採点論】
    • 「5つの採点基準」で「各20点ずつ」つける
    • なぜM-1で「歌ネタ」は評価されにくいのか? 
    • 「見逃してもいいボケ」で4分間を駆け抜けたヤーレンズ
    • ボケは「量」と「質」どちらが重要か? 
    • 「つかみ」でお客さんの緊張をほぐす
    • 「あーよかった、伏線回収できた」だけのネタは大減点
    • 芸人審査と一般審査でどう結果が変わるのか?
  • 第4章 路上から王者へ、挫折からの下克上【コンビ論】
    • 姉に連れて行かれた劇場で「漫才」に魅了された
    • 初のネタ披露は「修学旅行」
    • チュートリアル、麒麟、キングコング……立ちはだかった壁
    • 「救い」になったブラマヨ吉田さんの言葉
    • 年間50本のネタ作りは続ける/解散危機と再構築
    • 「マクド」みたいな漫才をやっていく
  • 第5章 漫才、芸人、お笑いの明日はどうなる? 【未来論】
    • 今の若手は「見せ方」が足りない
    • 自虐ネタ、ハゲネタ……時代の変化とお笑いについて
    • 「システム漫才」の意外な落とし穴
    • もう一度「漫才ブーム」「お笑いブーム」は来るのか? 
    • 今、注目の若手漫才師
    • 大学お笑いは「狭い国から来たふてぶてしさ」がいい
    • YouTube・サブスク全盛期に「舞台」に立つ意味 

本全体の特徴

  • 単なるエッセイにとどまらず、「漫才の本質」を体系的に掘り下げた評論的内容
  • 実際の芸人やM-1を事例に挙げ、具体性と説得力を兼ね備えている
  • 石田さん自身の体験を交えつつ、未来への展望まで示している
  • 読者は「芸人」と「観客」をつなぐ漫才の奥深さに触れられる一冊

スポンサーリンク

著者プロフィール|NON STYLE・石田明

基本情報

公式プロフィール

  • 2004年 「第2回 MBS新世代漫才アワード決勝2位
  • 2005年 「第26回 ABCお笑い新人グランプリ」 審査員特別賞
  • 2005年 「第25回 上方お笑い大賞」 最優秀新人賞
  • 2005年 「第3回 MBS新世代漫才アワード決勝2位
  • 2006年 「第41回 上方漫才大賞」 優秀新人賞
  • 2006年 「第8回 爆笑オンエアバトル チャンピオン大会決勝5位
  • 2006年 「第4回 MBS新世代漫才アワード 優勝
  • 2006年 「NHK新人演芸大賞」 演芸部門 大賞
  • 2006年 「第26回 上方お笑い大賞」 審査員特別賞
  • 2007年 「第9回 爆笑オンエアバトル チャンピオン大会優勝
  • 2008年 「第10回 爆笑オンエアバトル チャンピオン大会決勝3位
  • 2008年 「M-1グランプリ」 優勝
  • 2009年 「キングオブコント」 準決勝進出
  • 2008年 「M-1グランプリ」 決勝3位
  • 2012年 「日清食品 THE MANZAI決勝進出
  • 2013年 「日清食品 THE MANZAI決勝3位
  • 2015年 「 R-1ぐらんぷり」 決勝進出【石田】

芸人としての歩み

石田明さんは、中学時代の同級生・井上裕介さんと2000年に「NON STYLE」を結成。神戸・三宮でのストリート漫才を経て人気を集め、baseよしもとのオーディションに合格。NSC大阪校22期生と同期扱いで本格的な活動をスタートしました。

NON STYLEの漫才は、ハイテンポでボケの手数が多いスタイルが特徴。そのスピード感と緻密なネタ作りで頭角を現し、関西の舞台を中心に数々の賞を獲得していきます。

2006年には「上方お笑い大賞」最優秀新人賞、2007年には「爆笑オンエアバトル」9代目チャンピオン、そして2008年には「M-1グランプリ」優勝と、大舞台で次々と結果を残しました。降も「THE MANZAI」決勝進出、「M-1グランプリ」審査員など、長年にわたり賞レースの中心に関わり続けています。

また近年は舞台の枠を超え、2021年からは吉本総合芸能学院(NSC)の講師として年間1,200人以上の生徒を指導し、後進の育成にも尽力。YouTubeチャンネル「NON STYLE石田明のよい~んチャンネル」では、ゲスト芸人とお酒を交えながら漫才論・芸人論を語り、その鋭い分析力とユーモアで支持を集めています。

漫才師として第一線に立ち続けると同時に、“漫才を言語化し、次世代へと伝える”役割を担っていることこそ、本書『答え合わせ』の根底をなす背景とも言えるでしょう。

スポンサーリンク

書評・レビューから見る『答え合わせ』の評価

ポジティブな評価のまとめ

本書は多くの読者から好意的に受け止められており、特に以下の点が高く評価されています。

  • 漫才を深く楽しむための視点を得られる
    これまで「なんとなく笑っていた」漫才が、仕組みや構造を理解することで一層面白く感じられるようになった、という声が多く寄せられています。
  • 分かりやすく体系化された漫才論
    「偶然の立ち話」という原点から始まり、「共闘型」「システム漫才」といった分類や、採点基準の提示など、漫才を論理的に整理している点が評価されています。
  • M-1を見る楽しみが増える
    漫才そのものだけでなく、M-1の歴史的な変化や審査の裏側に触れられることで、過去大会の見直しや今後の大会をさらに楽しみにできると好評です。
  • 石田明という人柄・生き様に触れられる
    漫才論にとどまらず、芸人としての歩みや苦悩、立ち直り方も描かれており、「努力家で謙虚な人柄に感銘を受けた」という感想も目立ちます。
  • 読みやすさと実用性
    平易な言葉で書かれているためスラスラ読める一方、内容は濃く「NSC1年分の価値がある」との声も。一般ファンからお笑いを志す人まで幅広く役立つとの評価が見られます。

これらの意見からは、「わかりやすさ」と「実践的な学び」、そして著者の人間性に裏打ちされた説得力が本書の強みであることがうかがえます。


ネガティブな評価のまとめ

一方で、読者の中には以下のような批判的な感想も見られます。

  • 内容がオーソドックスで新鮮味に欠ける
    石田さんならではの尖った議論を期待したが、特に目新しい分析はなく「普通の内容」という感想も見られる。
  • 分析の浅さや一貫性の不足
    テーマごとの切り取りはあるものの、全体として筋が通っていない、羅列的に感じられるという批判がある。
  • 文体や構成への不満
    関西弁を使った語り口を不要に感じる読者や、エッセイ的な自分史の挿入が“カサ増し”のように映った読者もいた。
  • 同ジャンルの他著者との比較で見劣り
    ナイツ塙さんの著作と比べ、「一本筋が通っている方が読み応えがあった」とする意見も存在します。
  • 物理的な不備に関する不満
    新品なのに折れや傷みがあった、という購入時の品質に対する不満も一部で挙がっている。

このように、否定的な意見としては独自性や掘り下げの不足構成・文体への好みの差に集中しており、読者の期待値や求める読み応えによって評価が分かれる結果となっています。

スポンサーリンク

こんな人におすすめしたい『答え合わせ』

答え合わせ』は、漫才を体系的にとらえ直し、その面白さを理論的に示した一冊です。
読者層としては、以下のような方々に特に適しているといえるでしょう。

  • 漫才をより深く理解したいお笑いファン
    漫才を感覚的に楽しむだけでなく、構造や仕組みを踏まえて理解したい方に向いています。
  • 「M-1グランプリ」をより多角的に味わいたい視聴者
    大会の歴史や審査基準の変遷を踏まえた視点を得ることで、過去大会の見直しや今後の観戦を一層楽しめます。
  • お笑いを学ぶ学生や若手芸人
    基礎的な理論が分かりやすく整理されており、芸人志望者や養成所に通う方にとって実践的な参考資料となります。
  • 石田明という人物像に関心を持つ人
    漫才論に加え、芸人としての歩みや挫折・再起の過程も描かれており、その人となりを知るきっかけになります。
  • 論理的な思考法に関心のある一般読者
    ネタ作りの過程や分析の手法は、芸人に限らず、思考整理や発想法の参考にもなり得ます。

全体として、『答え合わせ』はお笑いファンだけでなく、漫才を学びたい人や人物研究・思考法に興味のある幅広い層に開かれた内容となっています。

スポンサーリンク

まとめ

今回は、NON STYLE・石田明さんによる著書『答え合わせ』について、内容の概要や魅力、そしてどんな読者におすすめできるかをご紹介しました。

芸人として舞台に立ちながらも、言葉や芸に対する視点を文章として丁寧に掘り下げている点は、ファンだけでなく、表現や創作に関心のある方にとっても大きな刺激となるはずです。お笑いの裏側や芸人の思考を知るだけでなく、日常生活の中での気づきや考え方にもつながる点が、この本の大きな魅力だといえるでしょう。

記事を通じて少しでも本書の世界観に触れていただけたなら、ぜひ実際に手に取って読んでみてください。自分の中で新しい発見や“笑いの答え合わせ”ができるはずです。

※この記事にはアフィリエイト広告を含みます。

令和ロマン・髙比良くるまさんによる著書『漫才過剰考察』の紹介記事はこちら

コメント

タイトルとURLをコピーしました