芸人本レビュー|ナイツ・塙宣之『言い訳 関東芸人はなぜM-1で勝てないのか』の内容と評価

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「M-1グランプリ」決勝の舞台審査員を経験した著者が、漫才の本質を徹底解剖!

ナイツ塙さんの本読んでみたいけど、どんな人におすすめなの?

トリニてぃ
トリニてぃ

そんな疑問を持つあなたに向けて、『言い訳 関東芸人はなぜM-1で勝てないのか』を分かりやすく紹介します。

この記事では、

こんな人におすすめ
  • 芸人が書いたお笑い論に興味がある
  • 読む前に大まかな内容やテーマを把握しておきたい
  • レビューや評価を参考に、購入を検討したい

という方に向けて

この記事でわかること
  • 言い訳 関東芸人はなぜM-1で勝てないのか』の基本情報とあらすじ
  • 著者であるナイツ・塙宣之さんのプロフィールと活動背景
  • ポジティブ/ネガティブ両面からのレビューまとめ

を分かりやすく整理しています。

この記事を読めば、本書の魅力と読みどころをしっかり把握したうえで、自分に合った一冊かどうかを判断できるはずです。

※この記事にはアフィリエイト広告を含みます。

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『言い訳 関東芸人はなぜM-1で勝てないのか』の基本情報・概要

ナイツ・塙宣之さんは、2008〜2010年にかけて3年連続でM-1決勝に進出した経験を持ち、2018年には審査員として同大会を分析する立場に抜擢されました。

著書『言い訳 関東芸人はなぜM-1で勝てないのか』は、挑戦者としての視点と審査員としての客観性を併せ持つ塙さんだからこそ描ける“漫才の構造” を、豊富なエピソードと緻密な理論を交えて解き明かした一冊です。

ベストセラーになった本作のヒットは、単なる自伝やエッセイの枠を超え、「芸人が自らの芸を言語化し、分析する」 というジャンルを切り開く契機となりました。後に続く数々の“芸人本”に影響を与え、「芸人によるお笑い分析本」の先駆けとして高く評価されています。

基本データ

発行部数と反響

2019年8月の発売直後から業界内外で注目を集め累計発行部数は10万部を突破しました。同年12月に開催された「M-1グランプリ2019」で塙さんが審査員を務めることが発表されたタイミングと重なり、新デザインの帯が制作されるなど、話題性も後押しとなりました。

歴代王者の強みやM-1必勝のポイントをユーモラスかつ理論的に解説する内容は、お笑いファンのみならず、舞台裏のプロセスに関心を持つ幅広い層に支持されています。

この成功は、芸人自身によるお笑い分析書という新たな市場を切り開いた先駆的な事例として評価され、現在ではお笑い研究本の定番として語られる存在となっています。

令和ロマン・髙比良くるまさんによる著書『漫才過剰考察』の紹介記事はこちら

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『言い訳 関東芸人はなぜM-1で勝てないのか』あらすじと内容の特徴

本書は、M-1チャンピオンになれなかったナイツ・塙宣之さんだからこそ語れる視点で、歴代王者の強みや、頂点を目指すための必勝法を分析。M-1に挑む芸人たちの戦略や、舞台上での立ち振る舞いを、豊富な実例とともに解説しています。

「ツッコミ全盛時代」「関東芸人の強み」「フリートーク」など、漫才を取り巻くトピックを幅広く取り上げつつ、ナイツの代名詞「ヤホー漫才」の誕生秘話も収録。40年以上「どうすれば笑いが生まれるか」を考え続けてきた著者の“笑い脳”が導き出した、現代漫才論の集大成です。

主な収録内容

プロローグ「僕が霜降り明星を選んだワケ」

  • 「王国」 大阪は漫才界のブラジル
  • 「技術」 M-1は100メートル走
  • 「自分」 ヤホー漫才誕生秘話
  • 「逆襲」 不可能を可能にした非関西系のアンタ、サンド、パンク
  • 「挑戦」 吉本流への道場破り
  • 「革命」 南キャンは子守唄、オードリーはジャズ

エピローグ「10年ぶりの聖地。俺ならいいよな」


本全体の特徴

  • M-1決勝常連かつ現役審査員の著者が、自らの経験をもとに漫才を分析している
  • 漫才の技術論を独自の比喩や論理を交えて体系的に解説している
  • 新書で手軽に読め、お笑いファン以外にも示唆がある

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著者プロフィール|ナイツ・塙 宣之

基本情報

公式プロフィール

  • 2003年 「第2回 漫才新人大賞」 大賞
  • 2008年 「お笑いホープ大賞 THE FINAL」 大賞
  • 2008年 「NHK新人演芸大賞 演芸部門」 大賞
  • 2008年 「M-1グランプリ決勝3位
  • 2009年 「第26回 浅草芸能大賞」 新人賞
  • 2009年 「M-1グランプリ決勝4位
  • 2010年 「第10回 ビートたけしのエンターテインメント賞」 日本芸能大賞
  • 2010年 「M-1グランプリ決勝6位
  • 2011年 「日清食品 THE MANZAI 2011決勝2位
  • 2013年 「第68回 文化庁芸術祭 大衆芸能部門」 優秀賞
  • 2016年 「第33回 浅草芸能大賞」 奨励賞
  • 2017年 「第67回 芸術選奨 文部科学大臣新人賞」
  • 2017年 「歌ネタ王決定戦決勝2位
  • 2019年 「歌ネタ王決定戦決勝7位
  • 2022年 「第39回 浅草芸能大賞」 大賞
  • 2023年 「令和4年度 スターの手形」 被顕彰
  • 2023年 「ゆうもあ大賞」

芸人としての歩み

塙宣之さんは高校時代、友人とコンビを組み吉本興業のオーディション番組で優勝。スカウトで福岡吉本入りが決まりかけましたが、進路を熟考し創価大学へ進学、落語研究会に所属しました。そこで出会った土屋伸之さんを誘って2000年4月に「ナイツ」を結成し、その後はマセキ芸能社に所属。

言葉の“勘違い”を活かしたヤホー漫才」で注目を集め、『爆笑レッドカーペット』などで人気を確立しました。M-1グランプリでは2008〜2010年に3年連続で決勝進出し、2011年「THE MANZAI」準優勝など賞レースの常連として活躍。2018年からはM-1グランプリで審査員を務め、挑戦者と評価者の両視点を持つ立場になっています。

また、2007年に漫才協会理事、2015年に副会長、2023年には会長に就任し、漫才文化の発展にも貢献。現在はテレビ・ラジオの司会や執筆、YouTube配信など活動の幅を広げながら、第一線で活躍を続けています。

漫才師としての経験と洞察を凝縮した『言い訳 関東芸人はなぜM-1で勝てないのか』は、彼の視点からお笑いの奥深さを知りたい方におすすめの一冊です。

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書評・レビューから見る『言い訳 関東芸人はなぜM-1で勝てないのか』の評価

ポジティブな評価のまとめ

本書は、多くの読者から高く評価されています。特に次の点が好評です。

  • 読みやすさと引き込み力
    「サラッと読めるが内容は濃い」「言葉がわかりやすくスルッと入ってくる」といった感想が多く、難解さを感じさせない語り口が評価されています。
  • 分析の鋭さと説得力
    「一級品の芸人だからこそのリアルな分析」「評論家とは違う現場目線が強み」といった声があり、「漫才の構造」や「M-1という大会の特殊性」が的確に言語化されている点が大きな魅力とされています。
  • 漫才やM-1への愛情
     「漫才への愛があふれていて胸が熱くなった」「M-1へのラブレターのよう」といった意見も目立ち、熱量そのものが読者を惹きつけています。
  • 漫才の見方が変わる
     「読む前と後でお笑いの見え方が変わった」「芸人の工夫や戦略が理解できるようになった」といった声があり、観客としての楽しみ方が広がる一冊と受け止められています。
  • 他ジャンルにも通じる示唆
    「営業やプレゼンにも通じる」「言葉選びや構成の工夫はビジネスにも参考になる」といった声が多くみられました。限られた時間で人を惹きつけるという点で、漫才とビジネスに共通する学びがあると感じた読者も少なくありません。

本書は、わかりやすく引き込まれる文体現場目線の分析を示し、漫才への深い愛情普遍的な学びを兼ね備えた作品として支持されていることがわかります。


ネガティブな評価のまとめ

その一方で、読者の中には以下のような不満や疑問を示す声も上がっています。

  • 革新性の不足
     塙さんの普段の漫才やトークに比べると、内容が保守的で冒険が少なく「もっと踏み込んだ視点を期待していた」との声があります。コアなお笑いファンからすると既知の情報が多く、物足りなさを感じた読者もいました。
  • 分析の深さに不満
     漫才の技術論や具体例の提示はあるものの、普遍的な「笑いの仕組み」まで掘り下げてはいないと感じる人もいます。「面白い/面白くない」を結果論で語っている印象が強いという指摘もありました。
  • 期待とのギャップ
     ナイツの漫才が持つ中身の面白さを期待して読んだところ、本書は技術面が中心で、芸風との落差を感じたという意見があります。また、書籍紹介からは「革新的なお笑い論」を想像したが、実際は堅実にまとめられていたという声も見られました。
  • 著者の立場に対する違和感
     「M-1優勝経験のないナイツの塙氏が語るお笑い理論」に対して、説得力が弱いと感じる読者も一定数います。その上から目線のように見えるスタンスに違和感を抱いたという指摘もありました。
  • 本としての不満点
     「さらっと読めて深く残らない」「編集者の手が強く入っているように感じる」「価格や装丁に不満がある」など、書籍の構成や形式面への不満も散見されます。

このように、否定的な意見としては「内容が堅実すぎる」「分析が浅い」「著者の立場に疑問を抱く」などが中心であり、革新性や深みを求める読者にはやや物足りない一冊と映る場合もあるようです。

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こんな人におすすめしたい『言い訳 関東芸人はなぜM-1で勝てないのか』

言い訳 関東芸人はなぜM-1で勝てないのか』は、現役漫才師ならではの経験と分析をもとにM-1グランプリや漫才の本質を掘り下げた一冊です。
特に以下のような方におすすめです。

  • お笑い・漫才が好きな人
    M-1やネタ番組をよく観る人にとって、芸人の戦略や舞台裏を知ることで、鑑賞の面白さが何倍にも広がります。
  • M-1グランプリをより深く楽しみたい人
    決勝常連だった著者の視点から、過去の大会の名シーンや評価のポイントを学べるので、「今年はどのコンビが勝つか」を考えるヒントになります。
  • 芸人を目指している人・若手芸人
    塙さんの経験に基づく分析や、舞台上での立ち振る舞いのコツは、プロを目指す人にとって実践的な学びになるでしょう。
  • 言葉の選び方や構成の工夫を表現活動に活かしたい人
    セリフの組み立て方や間の取り方などは、営業トークやプレゼンテーションにも応用できます。

全体として、『言い訳 関東芸人はなぜM-1で勝てないのか』は、漫才の技術や文化を現場に立つ芸人のリアルな目線で丁寧に解き明かした「現代漫才論」です。

お笑いへの深い愛情プロならではの冷静な分析がテンポよく綴られており、読後には「漫才の見方が変わる」と感じさせてくれる一冊といえるでしょう。

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まとめ

今回は、ナイツ・塙 宣之さんによる著書『言い訳 関東芸人はなぜM-1で勝てないのか』について、内容の概要や魅力、そしてどんな読者におすすめできるかをご紹介しました。

現役の漫才師として舞台に立ちながら培った経験や賞レース審査員としての経験をもとに、M-1という大会の特殊性漫才の構造をリアルな言葉で掘り下げている点は、お笑いファンだけでなく、言葉や表現に関心を持つ人にとっても多くの学びがあるはずです。

この記事を通じて少しでも本書の魅力に触れていただけたなら、ぜひ手に取って読んでみてください。読んだ後に残るのは“言い訳”ではなく“納得”かもしれません。

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