
お笑いライブの前に出てくる人って誰?何をしているの?

それが「前説」と呼ばれる芸人たちの役割です。
今回は、その前説について詳しく解説していきます。
この記事では、
- 前説って何をしてるのか知りたい
- ライブや番組観覧をより深く楽しみたい
- 将来売れる芸人をいち早く知りたい
という方に向けて
- ライブやテレビ収録における前説の役割
- 前説を担当する芸人の特徴と立ち位置
- 観客として前説を楽しむための視点
を分かりやすく紹介します。
この記事を読めば、前説の時間を「ただの前置き」ではなく、ライブ体験の一部としてもっと楽しめるようになります。
「前説」って何?初心者でもわかる基礎知識

お笑いライブでは、本編が始まる前に芸人がステージに登場して観客とやり取りをすることがあります。これが「前説(まえせつ)」です。
テレビ番組や情報番組の収録でも同様に、観覧客に向けた前説の時間が設けられています。
前説(まえせつ)・・・テレビ番組やライブなどの本番前に芸人が観客に行う説明のこと
単なる時間つなぎではなく、観客をリラックスさせ、盛り上がる雰囲気を作るための大切な準備時間なのです。
前説はどのタイミングで行われる?
前説は主に以下の場面で見られます。
- お笑いライブの開演直前
- テレビ番組の収録開始前
前説ではどんなことをする?
前説でよく見られるのは、次のような内容です。
観客をリラックスさせると同時に、これから始まる本編をより楽しめるようにするのが目的です。

前説があることで本編がより盛り上がります!
どうして前説があるの?その主な役割を解説

「前説」はお笑いライブやテレビ番組に欠かせない存在です。観客からすると「始まる前の軽いトーク」くらいに思えるかもしれませんが、実はライブや収録を成功に導くための大事な仕掛けになっています。
前説が持つ主な役割は、大きく分けて次の3つです。
- 会場の雰囲気づくり
- 注意事項の案内
- 出演者と観客の一体感の形成
ここからはそれぞれを詳しく解説していきます。
1. 観客をリラックスさせて会場を温める
お笑いライブや番組収録では、観客は最初こそ緊張して静まり返っていることが多いです。そのまま本編が始まってしまうと、笑い声や拍手が起こりにくく、芸人や出演者のパフォーマンスが力を発揮しづらくなります。
そこで前説が登場し、
- 軽いトークや質問
- 拍手やリアクションの練習
- 観客とのやり取り
を通じて会場をリラックスさせます。観客が声を出しやすい空気を作ることで、本編がより盛り上がる環境が整うのです。

前説で笑ったり手を挙げたりするうちに、「楽しむぞ!」という気持ちになります。
2. 観客への注意事項やルールの周知
前説のもう一つの重要な役割が「観客へのアナウンス」です。
劇場でのお笑いライブでは、
- 携帯電話の電源オフ
- 飲食禁止
- 撮影や録音の禁止
といった基本ルールを伝えます。
テレビ番組の収録ではさらに踏み込んで、
- 「笑うときは声を出して大きく」
- 「拍手は合図があったら全員で」
など、番組の見え方に直結するリアクションの方法を観客に教えることもあります。
こうした事前説明があるからこそ、観客は安心して参加でき、結果的に自然で一体感のある盛り上がりが収録されるのです。
3. 出演者や観客の一体感をつくる
前説を通じて観客が声を出したり笑ったりすることで、「これから一緒に楽しもう」という一体感が生まれます。
いきなり本編が始まるよりも、前説で会場が盛り上がっていた方が出演者も観客も一体感を得やすくなります。この空気があると出演者もリラックスして持ち味を発揮しやすくなり、結果的にライブや番組そのものの質が高まるのです。

一体感ができた瞬間、会場が一気にひとつになるのを感じます。
前説を担当するのはどんな芸人?

前説を担当するのは、基本的に若手芸人や新人芸人が中心です。まだ名前が広く知られていない時期に、観客の前でマイクを握り「場数を踏む」経験を積むために任されるケースが多く、芸人にとっては登竜門的な存在といえます。
前説の場は「観客との距離感をつかむ練習」であり、同時に「事務所や先輩からの信頼を得るチャンス」でもあるのです。
お笑いライブでの前説担当
劇場で行われるお笑いライブでは、所属事務所の新人芸人がローテーションで前説を担当するのが一般的です。出番は短いながらも、本番前に会場の雰囲気をつくる重要な役割を担っています。
例えば吉本興業の劇場では、のちに全国区で活躍する人気芸人たちも、若手時代には前説を何度も経験してきました。観客にとっては「後に売れる芸人のまだ無名だった頃の姿を目撃できる」貴重な体験であり、ライブならではの魅力のひとつといえるでしょう。

前説で初めて知ってハマる人もたくさんいます。
テレビ番組での前説担当
テレビ番組の収録現場でも、前説は重要な役割を果たしています。基本的には若手芸人が担当しますが、番組によっては「前説専門コンビ」として長期間にわたり出演を続けるケースもあります。制作スタッフから厚い信頼を得て、番組の一部を担う存在として定着することも珍しくありません。
一方で、番組の規模や演出によっては、人気芸人が前説を担当する特別なケースも見られます。
- レギュラー … 『M-1グランプリ』『THE W』『おもしろ荘』など
- バイク川崎バイク … 『M-1』『キングオブコント』『THE W』など
- サンタモニカ … ゴールデンの人気バラエティやお昼の帯番組
このような例は、前説が単なる余興ではなく、番組の成否に直結するほど重要な役割を担っていることを示しています。
芸人にとっての登竜門
前説は出演時間こそ短いものの、芸人にとっては実力を磨き、名前を覚えてもらうための真剣勝負の場です。観客からすると「本編前の軽い余興」に見えるかもしれませんが、舞台に立つ芸人にとっては「芸人としての基礎を身につける練習の場」にほかなりません。
実際に、多くの売れっ子芸人も若手時代に前説を数多く経験しており、その中で観客との距離の取り方や、瞬発的なトーク力を磨いてきました。観客にとっても「初めて見る芸人が予想以上に面白い」という発見が得られることが多く、前説は芸人の成長と観客の出会いをつなぐ接点となっているのです。
観客として前説を楽しむコツ・注目ポイント

観客にとって前説は、ライブ本編とは違った魅力があります。
一見すると「始まる前の前置き」に思えますが、視点を変えるだけでお笑いライブやテレビ収録の楽しみがより深まります。ここでは、前説を観客として楽しむためのポイントを整理しました。
- 将来性のある若手芸人を見つける
- 会場全体の空気づくりに参加する
- 芸人のアドリブ力に注目する
1. 若手芸人を発掘する気持ちで観る
前説を担当するのは、まだ知名度が高くない若手芸人が中心です。彼らにとって前説は、観客の前でマイクを握り経験を積む貴重な場。観客にとっては“将来売れるかもしれない芸人を先取りできる”楽しみがあります。
実際、かつて前説を務めていた芸人が数年後には賞レースの決勝に進出したり、テレビのゴールデン番組に出演することも少なくありません。ライブに通い続けることで、成長の過程を間近で見届けられるのも前説ならではの魅力です。
2. 会場全体の空気づくりに参加する
前説の大きな役割の一つは「会場を温めること」です。拍手の練習や掛け声、簡単な質問などを通して観客が参加し、自然に舞台と一体感をつくっていきます。
ただ受け身で聞くだけではなく、以下のように意識的に参加してみましょう。
- 指示に従ってしっかり拍手をする
- 芸人の問いかけに素直に反応してみる
- 周囲のテンポに合わせつつ、自分も積極的に声を出す
こうした参加の姿勢は、本編の盛り上がりを大きく左右します。観客自身が「空気づくりの一員」だと捉えると、前説の時間がより充実した体験へと変わります。

積極的な反応がライブを盛り上げることにつながります。
3. 芸人のアドリブ力を観察する
前説は台本に沿ったネタ披露ではなく、その場の雰囲気や観客の反応に応じて進行することがほとんどです。客席との掛け合いや不意のハプニングへの対応など、芸人の即興力がもっとも鮮明に現れる瞬間といえます。
また、コンビやトリオが自然に掛け合う「平場」の要素が垣間見えることもあります。平場について詳しく知りたい方は以下の記事も参考にしてください。
前説は数分間の短い時間ですが、楽しみ方次第でライブや番組全体の印象が大きく変わります。
単なる待ち時間ではなく、「前説もライブや番組の一部」と捉えて積極的に楽しむことで、体験そのものがより充実したものになるでしょう。
まとめ
「前説」とは、お笑いライブや番組をテレビ番組円滑にスタートさせるために欠かせない役割を担う存在です。
観客の緊張を解き、会場全体の雰囲気を温めることで、その後のステージをより盛り上げてくれます。
また、若手芸人が経験を積む登竜門でもあり、観客にとっては将来注目される芸人を発見できる場でもあります。
次に劇場や収録に足を運ぶ際は、ぜひ前説にも目を向けて楽しんでみてください。






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